落ちこぼれナースの統計チャレンジ

元落ちこぼれ看護師(保健師)が、私と同じく統計にドキドキしている看護学生や保健師さんに、簡単な言葉で届けるために始めたブログです。

保健師・看護師が統計を勉強する意味は?


おはこんハロチャオ!ツシマです。
今回は、「そもそもなんで保健師や看護師が統計を勉強せなあかんねん!」という疑問について考えていこうと思います。

私自身も、看護学生時代は統計の授業で混乱しまくり、わけも分からず自分を攻撃しそうになりました。本当にポケモンみたいですね。
そして、統計学では微妙な成績を残したのでした。

しかーーーし。
保健師と統計は切っても切れない関係にあるのです。
これからは私が思う、保健師・看護師が統計を勉強する意味を書いていきます。


保健師が統計を勉強する意味

  • 地域や集団の健康状態を把握するため

看護学生の皆さんは、「ポピュレーションアプローチ」「ハイリスクアプローチ」という言葉を勉強したと思います。


要するに、集団(行政保健なら住民、産業保健なら従業員、学校保健なら学生)の特徴が分からないとどんな介入をしないといけないか分かりません。


年齢別・性別・職種別…など、様々な着眼点でデータを分析して、優先順位をつけた介入ができるのです。

ちなみに私が大学の保健室で働いていた時は、保健室を訪れた学生や教職員達が保健室を利用した理由について分析していました。

そして、保健室がどのように使われているかを学校いや事務長等に報告していたのです。

  • 健康問題の原因や影響要因を分析するため


喫煙と呼吸器疾患、運動習慣とメタボリックシンドロームなど、要因と結果の関係を見るために、統計・分析の知識が役立ちます。

詳しい分析の方法については別記事で紹介しますが、それぞれの分析の方法を理解して分析することで、より因果関係が分かるのです。

  • エビデンスに基づいた健康施策を立案するため

例えば、保健師として生活習慣改善のイベントを開いたとしましょう。

その介入が本当に効果があったかを見るために、統計を使って評価するのです。

  • 他職種や行政・経営層とのコミュニケーションに活かすため

ある意味これが一番大切かも

他職種の人達は、保健師がそもそも何をしているか理解していないことも多いです。

そこで、統計を用いて視覚的・論理的に説明することで、他職種の協力を得やすくなります。

そして、行政なら政策の提案、産業保健師ならば職場改善などの提案に説得力を持たせることができます。

これは、あのフローレンス・ナイチンゲール女史もやったことなのです。

ナイチンゲール女史は、「クリミア戦争の兵士の多くが戦闘で受けた傷ではなく、傷を負った後の治療や病院の衛生状態が十分でないことが原因で死亡したこと」をグラフで示して、統計の知識が薄かった国会議員に説得しました。

そしてやっと国会議員が重い腰を上げて衛生状態の改善に努めてくれたのです。そして衛生状態が悪かったことによる死亡者はみるみる減ったのでした。めでたしめでたし。

自分達の仕事が評価されず健康管理課の予算が減らされた…という悲しいことを防ぐため、統計力を磨いていきましょう。


看護師が統計を勉強する意味

  • 患者の傾向やニーズを把握するため

「しっかしよォ〜〜師長、この病棟、なんか最近転倒多くないっすか?」

そう思った時、なんとなくで終わらせるのではなく、「先月は先々月より転倒率が+30%!特に夜勤帯が多い!」と見つけることができれば、対策が打ちやすくなります。

患者の安全が守れるだけではなく、インシデントレポートを書くために残業…ということを減らせるきっかけになります。

  • 看護実践の評価と改善に役立てるため

例として、あなたが褥瘡予防策を提案し、それを病棟で採用されたとしましょう。

めでたく、病棟内での褥瘡発生率を減らすことができました。

そんな時に、「たまたま病棟の褥瘡発生率が減ったんじゃあない、私が提案したポジショニングの方法のお陰じゃ!!」とアピールするために統計を利用します。

介入前と介入後のデータを比較し、褥瘡が減らせたことを師長に示せば、褥瘡患者が減ってあなたの評価が上がって一石二鳥…も夢じゃあないですね。

  • 研究や学会発表の根拠として使うため

中堅以上の看護師になると任される看護研究…

統計を使えば、単なる経験談ではなく説得力を持たせることができるのです。

あのフローレンス・ナイチンゲール女史もうなるような、説得力ありまくりのプレゼンができるようになるかもしれません。

  • 経験ではなく、根拠に基づいた看護を実践するため

もちろん全員ではありませんが、時々ベテランの先輩方の中には経験則に頼ってしまう人達もいらっしゃいます。

しかし、ベテランの先輩がやっているケアは今は古い…ということも。

そんな時の若手の武器はデータです。統計学的なデータがあれば、ベテランの先輩もあなたの話を理解してくれる確率は上がるでしょう。

ただし、頭ごなしにベテランの先輩の意見を否定するのはおすすめしません。

ベテランの先輩の経験則とあなたの統計学知識が合わされば、きっとより良い看護に繋げられますよ。


まとめ

以上、保健師・看護師が統計を勉強する意味についてまとめました。

統計はただの数字じゃあなく、私達の看護や介入の質と自分の仕事を「見える化」する魔法のようなスキルなのです。

ホグワーツに入学しなくても習得できるこの魔法を、これから一緒に勉強していきませんか?


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