落ちこぼれナースの統計チャレンジ

元落ちこぼれ看護師(保健師)が、私と同じく統計にドキドキしている看護学生や保健師さんに、簡単な言葉で届けるために始めたブログです。

機械学習って何?医療にどう役立つの?


突然ですが、あなたは「機械学習」についてご存知ですか?

…あなたの次のセリフは「知らんわ!!!!!」と言う!

はい、大当たりですね。特に大学や専門学校が看護系だった方には馴染みがない言葉だと思います。

今回はいつも通りゆる〜〜〜く、それでも分かりやすく機械学習とは何か説明していきたいと思います。

これが新コーナーの「ゆるっと機械学習」の記念すべき最初の記事です!!
楽しみながら読んでください!!


機械学習ってなーんだ??

機械学習(Machine Learning)は、「データから、ものが持っている特徴の法則性を学習させる」→「そこから未来を予測する・データを分類する」という特徴を持つものです。

このブログの主人公である「ゆるっと統計学」で触れているデータ分析では、データから過去を読み解いているのですが、機械学習はデータから未来を予測したりデータを分類したりすることを目的としています。

ポケモンのコライドンとミライドンみたいなものですね。

AIとかディープラーニングとどう違うんじゃい。

あなたは、AI(人工知能)とかディープラーニングという言葉を聞いたことがありますか?

AIなら聞いたことがある、または使っているという方がほとんどだと思います。我々の親友であるChatGPT君とかがそうです。

逆に、ディープラーニングは初めて聞いた、もしくは名前しか知らない、という方が多いと思います。

実はAI、機械学習、ディープラーニングは関係性があり、マトリョーシカのような構造になっています。

AIは、与えられたデータを分析し、推論や判断、最適化の提案、課題定義や解決、学習(情報から将来使えそうな知識を見つけること)などを行います。つまり、人間の知能の物真似をしているのです。

機械学習は、AIを実現するための手段のひとつです。データからパターンを学習して予測や分類を行います。

ディープラーニングは、機械学習の一種です。たくさんの「層」を通して情報を細かく分析する方法です。イメージとしては、人間の脳の神経回路を真似しているような感じです。特に画像や音声のような複雑なデータに強いです。また、人間が学習させる必要はなく、自分で学習してくれます。

ディープラーニングの概念は難しいので、今回は「機械学習の一種にそんなのあるんだーーーへーーー」ぐらいに考えてもらえればOKです。

日常生活にも潜んでいる、機械学習

あなたはX、Youtube、Amazon等を見ていた時、
「なんか最近私が好きなものばっかり表示されるな…まさかエスパーか??」
と思ったことはありますか?

はい、私もあります。
Xで有益な情報が見たいのに、タイムラインで時々流れてくる犬の画像が可愛すぎて「いいね」しまくっていたら、いつの間にかタイムラインが犬の画像まみれになりました。
可愛いけど困ったなぁ…

そう、その現象の正体が機械学習です。

あなたがいいねしたポストや見た動画、買った物のデータから、「次はこの人にはこれを勧めたら見てもらえる(買ってもらえる)可能性があるな…」と分析されて表示されているのです。

昔、「アキネーター」という、ランプの魔人に自分が思い浮かべている人物・キャラクターを当ててもらうゲームが流行りました。

実は、これも機械学習の一部です。
「この人物・キャラクターはこんな特徴を持っているな」と学習し、あなたの回答に最も近い人物・キャラクターを導き出しているのです。

一度機械学習とはどんなものか体験したい、という方にはおすすめのゲームです。試してみてください。

機械学習は医療分野と関係あるの?

機械学習は医療分野と関係大ありです。

例を3つ、紹介しましょう。

① 医用画像診断(がんや疾患の早期発見)

機械学習(特にディープラーニング)が、がん検出や皮膚病変、眼の疾患(糖尿病性網膜症など)等を検出します。
機械学習で早く病気を発見し、早期の治療につなげることができるのです。すごい!!!

② 電子カルテを活用した病気予測

電子カルテに蓄積された患者情報をもとに、心不全、腎不全、脳卒中などのリスクを予知します。
看護師が恐れているものの一つは急変ですが、予測できると対応がしやすくなりますね。

③ 処方の安全サポート(薬物相互作用リスク)

大量の患者データを分析し、薬と薬の「相性が悪いかも?」という予測を立て、医療者に「ここ危ねえぞ!」とアラートする仕組みです。副作用や誤投与のリスクを低減するのに役立ちます。

つまり、機械学習は医療従事者の心強い味方なのです。

万能じゃないよ、機械学習

一見、「機械学習ってなんでもできるじゃん!!マジ神!!!マジ卍!!!」と思うかもしれません。

しかし、そんな機械学習にも弱点はあります。

①常識や人間らしさは苦手!

データからパターンを学ぶだけで、「なんでそうなるの?」「それって変じゃない?」という人間と同様の常識はありません。いわゆる常識力ゼロです。

「教えてもらったことには強いけど、教えてもらっていないことについては知らない」と言う特徴を持っています。

データにないパターンは見つけられないし、完璧な答えも出せません。

②データへの依存が強い

学んだデータが偏っていたり少なかったりすると、結果がおかしくなります。
良くも悪くも、教えてもらったこと以外の応用は効かないのです。

③ブラックボックス問題

機械学習、特にディープラーニングは「なぜその答えになったか」が分かりにくくなることもあります。
「なんでこの結果になったのですか?」と聞かれると、困る場合もあります。
どのデータとどのデータを合わせたのかが分からなくなるのです。
でも医療では納得性も大事ですよね。
万が一機械学習の判断が間違っていた場合、患者さんに害を及ぼす恐れがあります。

あくまで、最終判断をするのは医療従事者なのです。
現時点ではあくまで機械学習は「医療従事者の優秀な助手」です。

その「優秀な助手」をいかに活かしてあげるかが、医療従事者の腕の見せ所です。


まとめ

以上、今回は機械学習とは何かについてまとめてみました。

機械学習はデータから未来を予測したり分類したりすることができて優秀な反面、場合によっては凶器にもなり得ることが分かりましたね…

結局は、この機械学習という「助手」に必要な情報を渡して、正しく活かしてあげることが我々にとって重要なのです。

あなたが、この「助手」にとって素敵な「上司」になれることを心から祈っています。


高校生時代のツシマは、「アキネーターが当てられないキャラクターを予想する」ことにハマっていました。

当時は「比較的マイナーなゲームの中ボス」などを当ててもらおうとし、アキネーターを困惑させていました。

時が経ち、今はアキネーターに膨大なデータが集まっている(=学習している)ので、手強くなっているかもしれません…

試しに、アンパンマンに登場する「そうめんパンマン」を当ててもらおうとしました。

……

アキネーター「ブラボー, あなたには負けたよ !」

いや私に負けとるやないかい!!
まだまだだな!!!ハハハハハハ!!!!!


コメントを残す