数学の教科書に出てくる「行列」。
「なんか数字が並んでるだけじゃん?」と思ったそこのあなた、そのとおーーーり!!!
行列は、数字をタテヨコに整列させただけのものです。
でもそれが集まると、計算やデータ分析までできます。
今日は行列の積、逆行列、そして正規方程式を理解していきましょう!
おいちょっと待った、数列もベクトルも忘れたわい。
まぁそんな人も少なくないでしょう。
焦らないでここでおさらいしましょう。
覚えている方は次の「行列の積」の説明まで飛ばしてもOKです。
数列
数列は「数字を順番に並べたもの」です。
例えば…
1, 2, 3, 4, 5,……
これは「自然数の数列」です。
高校時代に勉強した「等差数列」「等比数列」も同じ仲間です。
ベクトル
数列を「横や縦に並べたもの」を ベクトル と呼びます。
例えば…
横に並べると:

縦に並べると:

同じ情報ですが、「方向を持つ矢印」としてイメージすることもできます。
例えば (2,3)というベクトルは「横に2進んで、縦に3進む矢印」を表します。
まるで地図アプリで「右に2ブロック、上に3ブロック進む」みたいな感覚です。
行列の積
ベクトルをいくつも並べて四角い表にしたものが 行列 です。
例えば次の2つの行列を掛け算します。

ルールはこちら!!大丈夫、そんなに難しくないです。
左の「行」と、右の「列」をかけ算して足し合わせる。
実際に計算すると……

ちょっと面倒に見えるけど、要は「行と列の相性診断」みたいなものです。
相性ポイントを積み重ねて、新しい行列が生まれるんです。
ところで、「この式、図にしたらどうなるの?」と思う方もいらっしゃると思います。
残念ながら、その手段はないのです…
ここはそういうものだと思って割り切っちゃいましょう。
逆行列
逆行列は「やり直しボタン」です。行列 A に逆行列 A−1を掛けると……
A × A-1 = I
ここで Iは「単位行列」と呼ばれる、数字の世界の「1みたいな存在」です。
どんな行列に掛けてもそのまま返してくれる便利な「透明な存在」です。
2×2、3×3など、単位行列は「正方行列」で、対角線上に1、それ以外は0 が並んでいる行列です。
そして逆行列とは「その行列を打ち消す相手」。
Aに A−1を掛ければ、元の状態 Iに戻ります。
まるで「右に90度回す→左に90度回す」で、紙が元の向きに戻るのと同じです。
例えば…こちらが元の行列とします。

この逆行列は…

この2つを掛けてみると…

ちゃんと「元に戻る」ことが確認できます。
ただし、すべての行列に逆行列があるわけではありません。(例:全て行列の数字が0のものなど)
白シャツに飛んだカレーのシミが必ずしも落ちないのと同じです。
正規方程式
最後は統計で大活躍する「正規方程式」。
これは「データに一番フィットする直線」を求めるためのものです。
回帰分析ではこんな式を使います:

登場人物:
- y:観測データ(例:体重)
- X:説明変数(例:身長)
- β:未知の係数(回帰係数)
- ε:誤差
「誤差をできるだけ小さくする」ために導かれるのが 正規方程式:

ここから求められる解は

です。
行列の積や逆行列がぜんぶ登場して、最適な直線(回帰直線)が出てくるんです。
まるでデータという証拠を集めて、江戸川コナン君が「犯人はこの人だ!」と推理するようなものですね。
先ほど説明した逆行列の考え方は、β(未知の係数、回帰係数)を求めるのに役立つのです。
この説明を読んでピンと来た方、大変素晴らしい。
これは、線形回帰を理解するために必要な概念なのです。

もう一度、先ほどの正規方程式に出てきてもらいましょう。

βは、直線を決める数字です。
- 直線の傾きを表す数字(xが増えるとyがどれだけ増えるか)
- 直線がy軸と交わる高さ(切片)を表す数字
この2つをまとめて「β」と呼んでいます。
εは、データと直線のズレの大きさです。
点が直線の上にぴったり乗っていればε=0、少し離れていればその分がεになります。
線形回帰の解説記事には詳しい説明があるため、こちらもご参照ください!
まとめ
皆さん、行列の積・逆行列・正規方程式の概念はご理解いただけましたでしょうか?
行列の積・逆行列は図にしようとすると余計分かりにくいのが難点ですが、
そういうものだと思って割り切れば意外と理解が早まります。
ではでは、次の記事でお会いしましょう!!
